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PCオーディオについて印刷物もやっと追いつこうとして来てるようですね。書店で立ち読みしてみましたけど、ネットの方が情報が明らかに早いし的確ですねえ。audithallもおかげで助かってます。 以前の記事
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Diverter 192のアナウンスも心理的に堪えるものがありましたけど、他にもaudithallの物欲を刺激する品が2つほど目に入ってしまいました。現在のシステムにこれまで予算を突っ込みすぎたせいでもうほとんど身動きできないはずなので、指をくわえて見てるだけになりそうですけど。
1つ目としてBel CantoのディスコンになったばかりのDAC3が、dedicatedaudio.comで$1,000引きで売られています。日本に出荷してくれるかどうかまだ確認できてませんけど、買えるとすればとてもおいしいのではないかと。 あと、久しぶりにAntelopeのサイトを覗いたら、Zodiac Goldのページが目に止まりました。オプション電源の話を読んだ記憶がないので最近の話だと思うんですけど、最近は自分の記憶をあまりあてにしてないですね。仕様からしてaudithallには寒気のする値段になると思うので、この製品はあまり気にする必要ないかもしれません。OCXOをクロックに使ったDACの音は聞いておきたいと思ってはいるんですけどね。 ■
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by audithall
| 2010-11-20 02:01
| PCオーディオ
Sonicweld社がこの年末にUSB/SPDIFコンバータの新製品を出すみたいですね。Diverter 192と言う製品で外形は旧来のDiverterとほとんど変わらないみたいですけど、非同期転送方式を採用して24/192まで対応するのだとか。
RCAアダプタが添付された75Ω・BNC出力で、リクロッカーもこれまで通り装備されているようですし、どのような音が聞けるのかとても楽しみですね。まあお値段もそれなりになるでしょうから、audithallはしばらくの間様子見をせざるを得ないと思いますけどね。 ■
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by audithall
| 2010-11-16 23:17
| PCオーディオ
audithall的に最近はあまりかかわる予定のなかった領域のお話ですけど、親切なコメを頂いて、良い機会なので過去の記憶を掘り返しながら少し頭を整理してみました。
なおUSBオーディオの同期転送では、生成されるオーディオストリームのジッタを含む品質は一意にUSBオーディオ機器によって決定されるので、Windowsの再生ソフトウェアが関与できる要素は非常に少なくなっています。audithallはシステムをこのモードでのみ運用しているので、それ以外の出力形式についてはお話しできないのをお断りしておきますよ。 (1)デジタル音声信号の質 まず、出力にUSB同期転送を選ぶとWindowsの再生ソフトウェアが音声信号の音質に影響をいかに*与えられなくなる*かは「ラトックシステム PCオーディオ ブログ」が参考になると思います。 http://blog.ratocsystems.com/ (そちらの、#39 USB Audioについて(その7...)などをご参照ください。) 鍵となるのは再生ソフトウェアが出力に関して行う仕事は10ms分の出力データをUSBスタックに積み上げるまでで、積み上げたデータがどのようなタイミングでUSBバスに送出されるかについては一切関与できない仕組みになっている点です。クラスドライバ等に手を入れれば話は別ですけどね。 もっともWindows Media Playerなどは他のアプリでCPU負荷が掛かると、普通の4/4拍子がランダムに3/4拍子っぽく聞こえたりしてとても面白かったです。Windows VISTA以降ではそんな事態は避けられるようになったみたいですけどね。その現象に出くわして以来、信用のならない再生ソフトウェアが存在しうるのは認識できた次第です。あともちろんRAMのアクセスとかCPU負荷などで雑音の増減はあるでしょうけど、それは雑音の問題なので。 (2)ファイルの置き場所 audithallもかつて、Ultraviolet5-2/Lindemann USB-DDC/おまけSPDIFケーブルの構成だった頃には、音源ファイルの場所が内蔵HDD/USB外付けHDD/SDカード/RAM上で音の違いがPCの雑音と共によく聞こえたものです。しかし現在の信号パスは、Axis/Diverter/Lightning/isochrone DA/Platinum Starlightで、出力のNF-4Aから聞こえるPCの雑音成分が異様なまでに低くなると共にファイルの場所による音の違いも非常に不明瞭になってます。 現在のaudithallのシステムでは音源ファイルの場所による音の違いよりも16/44.1の根源的な問題である量子化雑音などの方が遥かに問題が大きいです。24/96に再サンプリングして抑えてますけど、今度は深夜であっても周囲の暗騒音が「暗」に聞こえなくなる方が問題になってます。おかげでファイルの場所の方は今のところ気にしていないです。 (追記) と言うわけで、ファイルの置き場所によって音が違って聞こえるのが何を意味しているのか、想像するのは難しくないと思います。それだけPCから雑音が漏れてるって事です。高音質のオーディオシステムを目指すのであれば、どんな雑音を漏らすのかを考える前に他にする事があるとaudithallは思いますよ。 (3)再サンプリングの質 Diverterは16/44.1の2倍オーバーサンプリングである88.2kHzが通らないので24/96にしているだけです。もちろん24/88.2の方がCPU負荷が相当減らせるでしょうけど仕方ないです。 再サンプリングで問題になるのが(a)再量子化誤差、(b)折り返し雑音、(c)フィルタ歪み、なのはaudithallが既に以前の記事に書いてありましたね。たとえば44.1kHz->48kHzなど接近した周波数間で再サンプリングをすれば、再量子化誤差は3dB上乗せされ雑音が2倍やかましい音源になる上に、折り返し雑音を遮断するLPFのフィルタ特性も厳しくなって音質の劣化に拍車を掛けてくれます。 しかし16/44.1->24/96と、サンプル周波数に2倍以上の開きがありビット長を長くできるのであれば、それがたとえ非整数倍であっても再サンプリングのアルゴリズムとLPFの実装次第で何とかなります。疑問のある向きは、まず下の(蛇足をもう一度)をご覧下さい。それから再サンプリングの理論を勉強してみてください。 これはもちろん近年のPCのCPUパワーの凄まじさに依存してます。折り返し雑音もサンプル周波数を変えるたびに宿命的に発生するので、再サンプリング処理の出力にはLPFを必ず置かなければいけないです。しかし理想的な動作をするLPFは時間方向に無限の長さを持っているので、理想に近づくためには否応なく演算負荷が増していくのを覚悟しないといけません。 逆に言うと偶数倍のアップサンプリングでもsinc関数補間とかをせずに単純なオーバーサンプリングアルゴリズムを使った上でLPFの作りをいい加減にすると、楽な仕事が単に雑な仕事になってしまいます。audithallがオーディオコンポーネントがサービスでしてくれる事になっているオーバーサンプリングを当てにしていないのはそんな理由からです。 (蛇足をもう一度) ■
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by audithall
| 2010-07-04 18:05
| PCオーディオ
PCオーディオにおいては音声信号は符号化されたデジタル信号であるため、理論上は伝送経路内での信号の劣化は意図的に信号を加工しない限りは起こらないとされていますね。にもかかわらず音源を取り扱う機器によって、再生される音質がまるでアナログ機器みたいに様々であるのは、PCオーディオに取り組んでいる方のほとんどから同意を得られるはずです。
このように機器の種類毎に音が異なる理由については様々な理論や推論があるのでしょうけれど、今回audithallは伝送経路に混じっている雑音成分に焦点を当ててみます。中でもDACコンポーネントの入力端子に到達する雑音成分について、それらがどこからやって来るのかを考えてみたいです。なおPCオーディオに興味を持っている人の中に、DAC回路が雑音の影響を全く受けないと信じているようなナイーブな人がいるとは想像し難いので、雑音がアナログ音声出力に影響するか否かの議論はしません。 (雑音の由来) さて雑音の出所はどこのあたりだと思います?audithallがすぐに思いつくのは下の5つです。 1.音源コンポーネントの電源インレット ようは家庭用交流電源のラインに乗ってやってくる雑音です。電源ケーブルが音質に影響するのはオーディオにおける基本事項なのはご存じの通りです。 2.コンポーネント内部の回路 PCオーディオは音が悪いと思われている最大原因はPCの回路から発生する多量の雑音でしょう。処理速度も消費電力もCDトランスポートとは違うので雑音も質量共に桁外れだと想像してます。また内蔵されている冷却ファンやHDDの回転系から発生する雑音も当然ありますし。これに対してCDトランスポートでは板を回すモータやピックアップのサーボ回路からの雑音があるわけですね。 3.コンポーネントの振動 コンポーネントの振動も新たな雑音源となります。インシュレータを履かせると音が変わる主な理由はインシュレータによって筐体の振動モードが変化するからです。CDトランスポートにおいては板の回転やピックアップの運動そのものが雑音源で、しかも実時間で質量のある物体を動かし続ける以上逃れる術がありません。 全く回転系を持たないコンポーネントでも油断はできません。接続されている各種ケーブルが機械的な振動を拾ってきて筐体を揺さぶる可能性があるからです。またトランスに通電すると機械的な震動が起こるのを忘れてはいけません。 4.アンテナとしてのケーブル 電磁波が飛び交う中に電線を垂らしておけば、そこに電磁波が飛び込むのは自明の理です。優秀なシールドを施す事で強力に抑制できますけど、皆無にできるわけではないでしょう。 5.ケーブルの振動 ケーブルは導体を伝わる電気信号を印加電圧として自身の機械的な振動を拾うマイクロホンとしても機能します。そこで発生する電気信号は当然雑音です。ケーブルの種類で音が変わるのは、シールド機能と共にこのマイクロフォン効果も非常に大きいと想像しています。 (考察: PCかCDトランスポートか) 上記の5つの中で、1,4,5は基本的にPCでもCDトランスポートでもあまり変わりないと思われます。対して2はPCが圧倒的に不利で、3はCDトランスポートがかなり不利と考えています。両方の問題を勘案せずに、と言うか全く無視してSPDIF信号をケーブル伝いに取り出したとすれば、結果として2の問題の方が大きく上回って「PCオーディオは音が悪い」と言われるのだろうとaudithallは想像しています。 しかしここで音源コンポーネントからの信号を直接DACに渡さずに、電磁波雑音に対する障壁として機能するコンポーネントを新たに介する事で、より雑音成分の少ない電気信号をDACに供給できるとすれば、話は全く別になってくるのはお分かりになると思います。そしてPCオーディオにおいては、細心の注意を払って雑音対策をおこない高度の実装技術を以て質の良いSPDIF信号をDACに提供できる機器が、やっと最近になって登場してきたわけでしょう。 結局audithallの考えとしては、PCオーディオだから当然xxだとか、CDトランスポートだから必ずxxだとか言った、絶対的な音質の差が存在するとは思っていないんです。設計・製作する者の工夫次第でいくらでも音を良くする手があるものだと信じています。しかし現実には、PCオーディオでは雑音の問題に真剣に取り込んだ製品が登場しつつあるのに対して、CDトランスポートはLP時代のアナロジーに腐心して音質の核心へと迫る努力を軽んじてきたツケが、音の差となって聞こえるようになってしまったようです。 (USB同期転送かUSB非同期転送~LAN接続か) 両者を対比する上でaudithallがまず考えるのは、下流側のコンポーネントにおける信号処理の負荷です。USB同期転送は音声信号の正確さを保証しない方式で音質的に劣っているようですけど、それでも信号処理に必要な負荷は後者に比べて非常に少ない方式です。定期的に信号が垂れ流しでやって来て、それが変なら変なままで整理して下流に仕方なしに流すだけで、それ以上になすべき事がないからです。 対してUSB非同期転送ではUSBハイスピード=480Mbpsで信号のやり取りをしないと信号処理が間に合わないので、当然480Mbpsでの通信ができる回路を実装しなければいけません。ちなみに同期転送では現在のところフルスピード=12Mbpsまでの製品ばかりです。そしてやって来た信号が正しいかチェックし、必要であれば再送信要求~再受信などの訂正動作をしないと非同期転送の意味がありません。当然プロセッサの動作速度が速く処理量が多いので必然的に実装コストがかさむと同時に、プロセッサから出る雑音も大きくなってしまいます。 LAN接続においてはネットワークの通信プロトコルに準拠する専用のプロセッサが必要です。これはオーディオメーカがわざわざ車輪を再発明する必要はないので問題ないとしても、信号のやり取りにまともなコンピュータ並の処理能力が要求されるわけで、するとコンピュータ並みの雑音源を下流側にわざわざ置く事になるのです。 もちろん、電源系統を厳重に管理し強力なシールドを施す事でそれらのプロセッサから発生する雑音を、取り扱っている信号フォーマットのノイズフロアまで引き下げるのは可能かもしれません。しかしそのために新たな資源を投入しなければいけないわけで、できあがる製品は音質に対してかなり割高になる危険がつきまとうとaudithallは想像しています。 しかしそのような処理をしてくれる製品が既に登場していますから、まあ色々悩むよりも実際に聞き比べてみて、現実を把握するだけなんですけどね。試聴させてもらうにしても、audithallとすれば相当低雑音でホログラフィックサウンドが出せるシステムでないと、もはや有効な試聴に聞こえないのでそこが悩みの種です。 ■
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by audithall
| 2010-07-03 21:00
| PCオーディオ
夏は部屋の気温の上昇と共にPCの冷却ファンの騒音も一段と大きくなって、PCオーディオをやっている者にとっては最も厳しい季節です。ノートPCはより非力なCPUが搭載されているため発熱量も少なくて比較的静かなはずですけれど、audithallは筐体をデスク上に置いて運用しているせいで、室温が27度以上になるとピッチの高いファンの音がかなりやかましくなります。
この騒音対策は当然、ノートPCに組み込まれている冷却ファンの回転数を抑えるような手段を講じる事になります。ノートPCの構造上の制約から消費者としてできる事はごく限られていて、(0)室温を下げる、(1)CPUの発熱を抑える、(2)外部から風を当てて冷やす、くらいしかないです。(0)は確かに効果がありますけどここで書いても面白くも何ともないので割愛して、今回は(1)CPUの発熱を抑えるをいってみましょう。 まずはaudithallの使っているノートPCのCPUを紹介いたします。意味が良く分からなくても気にする必要はないです。 ![]() 物質をより高速で動かすにはより多くのエネルギーが必要ですし、より長い距離を移動させるにもより多くのエネルギーが必要です。電子の流れで動作するCPUにもある程度同じ事が言えるようで、動作周波数が高くコア電圧が高いほど消費電力と合わせて発熱が多くなるようです。すると発熱量を減らしたければ、CPUのクロックを下げコア電圧を低くすれば良いわけですね。 と言う事で、RMClock Utilityを呼び出して段々とCPUのスピードに関する設定を切り下げてみます。audithallの構成ではまず再生アプリのfoobar2000によるflacファイルのデコードとSoX Resamplerによる再サンプリングのCPU負荷がありますし、当然他のアプリのCPU時間とかもあるので、いくらでも下げられるわけではもちろんないです。USBオーディオの同期転送でデータを送っているのでDPC遅延時間にあまり神経質になる必要はないですけど、図に乗って下げすぎるとDPC遅延時間とあまり関わりなく音切れがするようになります。 そしてaudithallのノートPC上で、foobar2000から音切れのしない安定した出力が得られる設定はこんな風になりました。これより遅くするとたまに音切れして驚く羽目になります。この時の室温は摂氏27.1度で無風です。残念な事にCPUファンは遅めながらしっかり回転していて、音が鳴っている間は分からないけどSPが鳴りやむとファンの音が聞こえます。 ![]() foobar2000 1.0.3でSDメモリカードからflacファイル(level 8, 2ch, 16/44.1)を再生、 SoX Resampler 0.5.4.2 modにて24/96にアップサンプリング。 ASIO4ALL 2.10・USBオーディオ・同期転送出力。 あとCPUファンの音をaudithallの部屋の夜間における背景雑音近くまで下げるためには、CPU温度が摂氏40度を確実に下回るまで下げないといけないのが分かってきました。...ノートPCクーラなんかが必要なようですね。 (蛇足なおまけ) ■
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by audithall
| 2010-07-03 00:32
| PCオーディオ
USB/SPDIFコンバータとして今のところ、音質でもお値段でも並ぶ者のないSonicweld Diverterがどうやら国内のオンラインショップでも買えるようになったみたいで、実に喜ばしい事です。そこでこのブログを見に来ている方が、れっきとしたUSB DACを買っておつりが来るほどの素晴らしい価格がついた、このコンバータを購入するか否かの判断材料として頂くべく、Diverterについてaudithall的に知っている情報を書いてみます。
(鍵となる仕様) 1. 入出力 入力 - USBオーディオ・同期転送、USB-B端子 出力 - SPDIF、BNC端子・RCA変換アダプタ付き 入力はよくあるUSB-B端子なので、オーディオグレードのUSBケーブルのほとんどが使えます。出力は現在新品として流通しているDiverterはBNC端子になっているはずです。これがRCA端子になっているのは旧バージョンのDiverterです。インピーダンス不整合で音質が設計通りに出ない場合があったので、改良を加えBNC端子に換えたとの事です。となれば当然BNC接続で使うのが本筋でしょう。 2. 処理可能な信号規格 ビット長 - 16、24 サンプル周波数 - 44.1、48、96 audithallの筐体では残念ながら88.2kHzは通りませんでした。分かる人にはこの時点で中身に何が入っているか分かってしまうそうですね。Lindemann USB-DDCでは88.2kHzも受け付けて、96kHzにアップサンプリングして出力してくれる事になってますけど、Diverterではあらゆる再サンプリングは行われません。 このように近接した周波数間での再サンプリングは音質上のデメリットが大きく、また演算負荷が非常に大きく実装上の制約から性能が出しにくい上に、DSP自身の発する雑音が追い打ちを掛ける事になると思われます。限られた資源の中では再サンプリングを行わないのはむしろ賢い選択でしょう。 3. 電源 電源 - USBの電源バス DiverterにはACアダプタなど外部電源を利用するオプションはありません。Diverterの設計者自らの解説によると、(1)通常のAC電源アダプタの電源ラインに乗る高周波雑音の量はUSBケーブルの給電ラインのものと同等以上なので、質の面でAC電源アダプタを優先する根拠はない、(2)注意深く電源ブロックの回路設計を行い適切にシールドを施せば、USBケーブルからの給電のみで必要十分な音質が確保できる、てな事でした。 4. 保護回路 海外のオーディオショップのサイトを眺めていると、USB DACは通電状態でUSBケーブルを抜き差ししてはいけないとか書いてあります。これはどういう意味かと言うと、オーディオメーカが作ったUSB DACの中にはUSB受信部の保護回路を省略したUSB機器としてあるまじき製品がかなりあって、へたにUSBケーブルを抜き差しするとDACの回路が死ぬって事です。 ところがDiverterではちゃんと保護回路が入っていると謳われています。実際にaudithallはPCのセッションが立ち上がった状態で何度か抜き差ししましたけど、いまだに正常に動作しています。 (こんな方にお薦め) 既にDACを持っていてPCオーディオをやってみたい人が対象の製品なのは言うまでもありません。特にPCを使えばCD-DAを凌駕する音が出せると理解していて、そのための出費と努力を惜しまない覚悟がある人にはお薦めできます。USBケーブルにもSPDIFケーブルにももはや手抜きが許されなくなるからです。また24/96フォーマットの世界に耽溺したい人や、audithallのようにCD-DAの雑音が気に障って演奏にのめり込めなかった人にも、意義のある買い物になるでしょう。 対してCD-DAで既に十分満足のいく音が出るシステムを持っていて、それ以上の高音質は要らないと感じている人にはDiverterの性能は無用の長物となるかもしれません。 (USBケーブルについて) もちろんDiverterを挟めばPCからDACまでの信号経路が無事つながって音が出せるようにはなります。しかしPCオーディオの最大の問題であるPC由来の雑音を、Diverterだけで十分に抑え込む事はできないように感じられます。もしDiverter単独で雑音に対する十分な耐性があって完璧な雑音バリアとして機能するのであれば、どのUSBケーブルを使っても音は同じになるはずですけど、現実にはUSBケーブルによって音が変わるからです。 audithallの例をあげると、これまで長期間にわたって使用したUSBケーブルは3本あります。WireWorldのUltraViolet 5-2、CardasのClear Serial Bus USB、そしてLocus DGのAxis USBケーブルです。Clear Serial Busの方がUltraviolet 5-2よりも全音域での雑音の少なさと高音の純度の高さで上回ります。ただしケーブルが馴染み*はじめる*までに毎日数時間以上使って2週間は掛かります。Axisの音は最高とは言いませんけど、背景がより静かで音域間のバランスが良く音楽的な音になるので、現在はこれを使っています。 実はaudioquestのDiamond USBケーブルも注文してあるんですけど、まだ入荷のお知らせが来ないんです。 (便利な使い方) USB入力付きのDACを買ったもののUSBオーディオの音がイマイチと言った場合でも、Diverterを介すればDACのUSB端子を使うよりも良好な音質で聞ける可能性があります。これはDiverter自体に強力な雑音対策が施されている事と、その後にSPDIFケーブルを経由する事でさらなる雑音抑制が期待できるからです。またDiverterの設計者は人工衛星の通信回路のデザインを受託したりする高周波回路の掛け値なしの本職だそうで、DiverterもUSB/SPDIFコンバータとして相当の性能を発揮しているんじゃないかと思われます。 あとはしつこいようですけど、DiverterとDACとの間にisochrone DAをはじめとするリクロッキング機器を挟む余地ができるので、システムの音を更なる次元に押し上げられるチャンスも生まれます。 (メンテナンス) これを書き忘れてました。Diverterはメンテナンスフリーの製品として製造されていて、故障した際に不具合のあるパーツだけを交換するなどは考えてないみたいです。以前にDiverterの筐体の外表面にはネジが一本も見あたらないと書きましたけど、一旦完成した筐体はメーカでも分解できず、どうしても開けたければケースを破壊する事になるそうです。 ■
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by audithall
| 2010-06-29 00:16
| PCオーディオ
今回もisochrone DAは登場しません。くどくて申し訳ないです。でも流れ的にこの話も必要なので。
一応置き台の問題はどうにかなった事にして、今回は2台目のTAP-PLUSを購入しTIGLONのMGL-1000Aを刺してm902につないでみました。TAP-PLUSへの給電はAETのHIN-AC-EVOを使います。電源タップを独立にするだけでも音は良くなるのでその点をきちんと峻別しておきたいですけど、今度ばかりは変更点が多めで細かな評価をしてるヒマがないので、まず全部突っ込みでいきます。 整理してみるとこれまでm902には、オヤイデ TSUNAMI GPX-R / SAEC TAP-PLUS(NF-4Aと共用) / 同 PL-6000と繋いでいたのを、今度はHIN-AC-EVO / TAP-PLUS(独立) / MGL-1000Aと繋いでます。ちなみにNF-4A側のTAP-PLUSの給電もHIN-AC-EVOに換えてあり、TSUNAMI GPX-RはDORD 265に回しています。 空気がかなり変わりましたね。より平坦に近づいた周波数応答と更なる静寂が心地よいです。微細な情報が強調感なしにしっかりと聞き取れるのが何だかhi-fi的です。これまでよりもボーカルや弦楽器が明瞭に聞こえる気がしますけど、ハイ上がりなのがましになったせいでしょうね。またあらゆる音像の焦点が見事に合いD-Prop extendを履かせた時の音像に一歩近づいた感じです。特に中央付近の音像が改善され、演奏としてさらに分かりやすい音になってます。 しかしそれ以上にaudithallと音像との距離が、これまでよりも広がって聞こえるようになったのに驚きました。電源の設定でこんな事が起こるなんてとても不思議です。高音域が強調されている中で起こるのならまだ納得いくけれど、今回はむしろ高音を抑えながらですからねえ。 加えてD-Prop miniを履かせたTAP-PLUSらしい、お下劣な過渡応答性は見事に保たれています。歪みによる粉飾を感じさせないのもこれまで通りです。フィルのバスタムなどがどこで入るのか心の準備をしておかないと心臓にかなり悪いです。電源ノイズフィルタや高級な電源ケーブルを使うと音が綺麗になる代わりにパンチや切れが鈍ると言われたりしますけど、この音を聞く限りaudithallはそのような意見には全く否定的です。 さて今度はm902の電源ケーブルをMGL-1000AからPL-6000に戻してみました。音全体としてはわずかに華やかになります。TAP-PLUSを共用していた頃の音よりは明らかに良く、基音と高調音とのバランスが改善されているのが聞き取れます。音像の焦点もかなり良いですけどMGL-1000Aの音には残念ながら届いてなくてやや曖昧に感じられます。過渡応答性は負けず劣らずで素晴らしいです。 こんな感じでPL-6000でも元の設定からはかなりの改善が得られていますけど、でもMGL-1000Aにすると一段と本物のオーディオシステムに近づいたような、質的な意味で凄味の感じられる音になりますね。この電源ケーブルは値段の数倍の価値があるとも言われていますが、audithallもそのポテンシャルの片鱗を味わえた気がします。これの数倍の値段の電源ケーブルの音なんてaudithallは聞いた事もないので、これ以上の話はできませんけどMGL-1000Aが圧倒的にお買い得なのは疑いようがないです。 それにしても設定をさんざんいじり続けてるのに、きっちりついてくるNF-4Aもやっぱりただ者じゃないと思います。ここまで来てしまうともう、他にいくら手頃な値段で良いSPがあると分かっていても、今さら乗り換えなきゃいけない理由がすぐには思い浮かばないです。試してみたいSPの候補はいくつかありますけど、オーディオショップの試聴用システムの緩い設定で聞かせてもらったところで、SPの本当のでき具合を的確に評価するのは非常に難しくなってます。 今回の変更はisochrone DA導入のための単なる前振りのつもりだったのに、これまでで既に予想をかなり上回る収穫が得られています。電源の対策だけでここまで音が良くなるんだったら、効果が未知数のisochrone DAを置き台で苦労してまで仕込む必要はないんじゃないかと思ったりして。う~む。 ■
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by audithall
| 2010-06-14 21:33
| PCオーディオ
ASIO4ALL ver.2.10がリリースされてます、Windows VISTA/7上でWASAPIで出力してる方には関係ないですけど。
ASIO4ALL - Universal ASIO Driver For WDM Audio http://www.asio4all.com/ 基本的にはデバイスドライバなどは現に不都合が起きていない限りは、慌ててアップデートする必要はないんですけどね。むしろ上手く動作しているものは無駄な手を加えないのがアプリを安定して動作させる原則で、それで仕事しているのならむしろ鉄則です。 ところでこのブログでは外部サイトのURLは原則テキストのみでリンクのタグは入れていません。audithall自身がその気もないのにうっかりクリックしてしまって慌てる事があるからです。またfirefoxにテキストリンクなるアドオンを入れているので、URLとおぼしきテキストさえあればリンクが張られていなくても全く困らないからです。 例えばexciteブログのリンク元ランキングなどのテーブルに書かれているURLにはリンクが張られてないし"http://"もついてないわけですが、URL部分をダブルクリックすれば、不足しているであろう部分を勝手に補った上でジャンプしてくれます。技術の進歩が人間を怠惰にするのをひしひしと感じます。 ■
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by audithall
| 2010-06-12 22:17
| 日々の事
今回追加する箱はisochrone DAだけですけどそれ以外にも設定の変更があるので、より正確に評価しようと考えれば箱以外の設定による影響を聞いておきたいですね。手始めにJ1プロジェクトの小型ラックであるPRLB10-3621をUltra Platformに乗せ、引き続いてm902の電源ケーブルを別のTAP-PLUSに刺したMGL-1000Aに換えてみます。今回はラックの話をいってみます。
J1プロジェクトの供給する非金属製ラックの材質について、audithallはオーディオボードのJ1B3546で既にある程度把握できていたので、さしたる不安もなく注文できました。届いたラックの構造がほぼ予想通りだったので、当初の思惑通りに基段だけを組み立ててみました。金属を使っているのはスパイクを脚にねじ込む箇所だけで後は全て非金属になります。本当は上段もきちんと組まないと本来の強度が得られない気がしますけど、デスク上でそびえられてもうっとうしいだけですし、相当に軽い箱が乗るだけなので運用上は支障はないと思います。 最初にデフォルトのSP35Sスパイクを着けて直でUltra Platformに置いてみました。それまで開放的でハイ上がり気味だった音が一気に重いハイ落ちの音に~。ここまではある程度予想の範疇でしたけど、あと音の細部が潰れ気味ですね。せっかくRollerBlockとUltra Platformのコンビを使ってるありがたみがかなり薄くなってます。これらSymposium Acousticsの製品を投入する前だったらこれくらいの音でも不満はなかったような気がするんですけどねえ。 一言で言えば音が悪くなったのです。乗せたラックが当然Ultra Platformの重しになっているからだと思います。しかしそれ以上に、おそらくオーディオボードって単独の筐体の振動制御のために設計されたもので、今回のように複数の物体の振動制御をさせるのは本質的に無理があるんだろうと思われます。両者が同一のボードに乗っていると、一方の振動が必然的に他方に伝わってしまうし、ボードは個々の振動ではなくボード上面で合算された振動分しか制御できないのでしょう。 今回の音の変化要因についてもう一つ考えられるのは、ラックの板面による音の反射ないし輻射でして、箱にもマイクロフォン効果が避けがたく存在する事を思い出してみれば、これも全く無視できないはずです。ラックを乗せるまではm902の上面は部屋の天井まで1.5m以上の空間があるだけだったので、おかげでハイ上がりで開放的な音が聞けていたんでしょう。しかし今やその天板はわずか数cmの距離でラックの板と向き合わせですので。 それではラックによる重しとしての要素がどんなのものなのかごく大まかですけど見積もってみます。J1プロジェクトのラックの代わりに鉛の1kgのインゴットをUltra Platformに乗せてみれば板面なしのほぼ純粋なウエイトと見なせるはずです。果たして高音端の開放的な響きはかなり残ったままで中音以下が沈む、ほぼ予想通りの結果となりました。 それはそれとして当座の逃げを考えなきゃいけません。まずはインシュレータを工夫する事でラックの接地状況を変え、中音以下の音質を確保すると共に板の影響によるハイ落ちの印象とうまくバランスできるかやってみます。これがあまりうまくいかなければ、このラックは現在使っているUltra Platformの短辺をぎりぎりまたげるので、今度はUltra Platformの短辺が正面に来るようにしてみるつもりです。 ■
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by audithall
| 2010-06-11 00:57
| PCオーディオ
デジタルオーディオにおける音質改善のための基幹的な技術の1つに、これまでaudithallが利用してきた再サンプリングがあるのはご存じの通りですね。再サンプリングについてはPC上で高性能な再サンプリングソフトウェアを適用すれば、良い結果が得られるのはこれまで紹介してきた通りです。
そして今度は音質改善のためのもう一つの重要な技術である、デジタル音声信号のジッタ対策を試してみる事にしました。さすがにこればかりはPCから打てる手はないです。また残念ながらaudithallの現在のシステムは同期転送しか使えないので、厳密なジッタ対策はできない状況にあります。ここで形容詞付きで表現するからには次善の策があるわけで、SPDIFの信号経路にジッタ対策機器を挟み込む手段が残されています。 そのような機器に期待するのは、何らかの手段を用いてSPDIF信号中のジッタを抑制するか、あるいは高精度のマスタークロックを準備してSPDIF信号を同期させる、あたりです。前者はそもそも実装可能でそんな都合のよい手段が存在するのかが疑問ですし、実現できたところで有意義な成果が得られるかが問題になると思います。後者の方が単純明快で抜本的な対策になるのは明らかです。しかし入力信号とマスタークロックとの周波数のずれを上手に処理しないとバッファのオーバーフロー/アンダーフローの問題が出てきます。非同期転送であればこの問題は原理的には起こらないので後者のやり方で円満に解決できるのに、同期転送は上流が信号垂れ流しなのでそうはいきません。 とにかくSPDIF音声信号の入力を受け付けてそのジッタ制御をした上で出力してくれる機器を実際に使ってみたいと思います。ネックはaudithallが入手可能かつ手ごろな価格の製品を見つけられるかどうかです。でもその気でネットをうろついてみれば何とかなる、と言うか単にaudithallが常識に少し追いついただけですけど、Antelopeのisochrone DAにたどり着きました。ちなみにインフラノイズの製品は後者の機能しか試せない上に、クロックジェネレータが別途に必要なためコスト面の優位性もありませんからね。 さてisochrone DAは外部から供給されたマスタークロックを再分配するのが本来の仕事で、マスタークロックそのものは持っていません。その代わりにマスタークロックのジッタ制御機能があり、isochrone DAを通すだけで音質が改善されるのを売りにしています。そしてisochrone DAはSPDIFの信号に含まれるクロック信号をマスタークロックとするモードも持っていて、SPDIFのスルー出力には入力された信号がそのままでなく改質されたマスタークロックを用いてリクロッキングされたものが出力される仕様になっています。 ここでメーカであるAntelopeの解説を信用するならば、USBオーディオを利用したシステムが外部マスタークロックの処理系を持たない場合にも、DACの手前にisochrone DAを挿入してSPDIF信号をマスタークロックに選べば、とりあえず改質されたSPDIF信号をDACに供給できます。つまりisochrone DA単独で上に書いた手段のうち、何らかの手段を用いて入力されたSPDIF信号のジッタを抑制する、が試せるわけです。その成果に満足できなければ改めてクロックジェネレータの導入の可否を検討すれば良いわけで。 そんな感じでとても面白そうなのでaudithallはisochrone DAを買ってみる決心を固めました。もちろん音がほとんど変わらない可能性も考えてはいます。上流のDiverterはハイエンドオーディオシステムでの運用を前提に製作されたコンバータで、ジッタ制御も舌先だけでなくしっかり行われている可能性が高いからです。ジッタ制御自体が聴感上意味をなさない可能性もありますし。それでもマスタークロックを入れると音が豹変するのがこの領域のようですけどね。 (機器以外が問題) ■
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by audithall
| 2010-06-10 21:43
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